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非抜歯と抜歯による治療

永久歯列の
治療方針について
(第二期治療)

永久歯列期の全体的な治療の方針は、非抜歯、抜歯を併用するもの、および外科手術を併用するものの三つに分けられます。
全ての患者様に対して、抜歯をせずに、手術をせずに、良質な矯正歯科治療を提供したいという想いは矯正歯科医にとって共通です。しかし、患者様各々の骨格的な形態や歯の大きさも個人差が有ります。そのため全ての患者様に対して同一治療方針のみで対応する事は残念ながら出来ません。

矯正歯科の診断方法

矯正歯科医学の診断学は、レントゲン写真、模型分析などの様々な分析項目に患者様の条件を含めて決まりますが、抜歯非抜歯の根拠を出来るだけ判りやすく解説を加えましたのでご一読下さい。
診断:資料採得後3週間から4週後に診断を行います。

  • 主な矯正歯科治療診断用資料

    • 模型(平行模型、
      マウント模型など)

    • 写真
      (顔貌、口腔内など)

    • セファロ
      (側貌、正貌)

    • パノラマX線写真

  • 必要に応じて追加する資料

    • 各種X線写真
      (デンタルX線写真、額関節部X線写真、手根骨X線写真)など

    • 顎機能検査
      (下顎運動描記)

    • 筋電図検査

    • CT、MRI検査

非抜歯による治療

下記の症例は、歯並びのガタガタも強く奥歯の咬み合わせも前後的にズレが認められます。ただし、12歳としては口元がさみしく見えるタイプです。 この様な症例では若干口元の突出が許されますので非抜歯にて治療を行いました。
ガタガタの量、奥歯の咬み合わせのズレの量なども極めて大きく難易度の高い症例です。
本症例は学会にて発表いたしました。

叢生、過蓋咬合

  • before

    Before

  • after

    After

主訴 ガタガタが気になる
年齢 13歳
治療期間 2年4ヵ月
費用 ¥700,000
治療方法 マルチブラケット装置
抜歯部位 非抜歯
リスク・副作用
  • 虫歯になる可能性
  • あと戻りする可能性

抜歯による治療

下記の症例は、ガタガタが強く、奥歯の咬み合わせも前後的にズレが認められます。 口元も若干出ています。
この様な症例では、抜歯による治療が望ましく、非抜歯で行う場合口元の突出を招き口が閉じにくくなるタイプです。 治療前後でオトガイの形態が違うのは、下唇から舌の軟組織の緊張がほどけたため、極めて良好なオトガイの形態、軟組織側貌観が認められます。

反対咬合、開咬、叢生

  • before

    Before

  • after

    After

主訴 反対に咬んでいる、前歯で噛めない
年齢 16歳
治療期間 3年2ヵ月
費用 ¥700,000
治療方法 マルチブラケット装置
抜歯部位
  • 上顎5番
  • 下顎4番
リスク・副作用
  • 虫歯になる可能性
  • あと戻りする可能性

非抜歯による治療

  • 非抜歯で上の前歯を前方に移動したところ。
    この様に歯並びと咬み合わせのみの治療で有れば非抜歯で十分改善が可能です。しかし上顎前歯の前方への移動に伴い、上唇が出て上下の口元がこんもりした状態と、チンボタン(梅干し様のオトガイ)が認められ患者様も改善を希望されました。
    患者様との話し合いの上、抜歯による治療方針を最終的に決定しました。咬み合わせも、口元も良好な状態に成りました。

    主訴の改善の観点から非抜歯でも、抜歯でも治療が可能な患者様です。
    非抜歯の場合、上顎の前歯を前方に移動する方法、抜歯の場合下顎の前歯を後退する方法になります。
    歯の位置移動に伴い口唇の位置は移動するため非抜歯の場合、上唇が出て口元の突出が予測されますが、当初、患者様との話し合いでの希望により非抜歯にて治療を進めて行きました。
    しかし治療経過として、口唇の改善も希望されたため抜歯治療へと変更いたしました。
    この様に、咬合はどちらでも出来ても口唇との関連、口が閉じにくい状態の改善は重要な鍵と言えます。

  • 歯性の下顎前突・叢生

    • before

      Before

    • after

      After

    主訴 受け口
    年齢 16歳
    治療期間 3年10ヵ月
    費用 ¥700,000
    治療方法 マルチブラケット装置
    抜歯部位
    • 上顎4番
    • 下顎4番
    リスク・副作用
    • 虫歯になる可能性
    • あと戻りする可能性
  • 抜歯・非抜歯の
    診断のポイント

    それぞれの症例を紹介しながらご説明しましたが、診断時に判断材料になるポイントとは何でしょうか?最終判断は患者様のご希望などに合わせてご提案しますが、診断のポイントについてまとめましたので、下記をご覧ください。

    診断時に診る
    抜歯・非抜歯のポイント