口唇裂・口蓋裂の
矯正歯科治療について
顎裂を伴う矯正歯科治療は、上顎の狭搾や劣成長に対する、主に顎発育に対する対応が大切です。
3歳頃の乳歯列期での早期治療を必要とするか否かのスクリーニングを行い、治療開始時期の検討を行います。
また、う蝕予防と治療などをするカウンセリングを行います。
唇顎口蓋裂の
矯正歯科治療の進め方
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Phase01.
顎に対する治療が主体Step01顎骨に対する治療
乳歯列期の拡大治療 (3~5歳)
- 骨移植が必要な場合、そのための歯の移動や側方あるいは前方拡大治療
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Step02混合歯列期の拡大治療
- 前歯の反対咬合に対する被蓋改善が主体で、上顎前歯の前方拡大あるいは上顎骨の前方牽引(混合歯列前期) (6~10歳)
- 永久歯側方歯群に対する側方拡大(混合歯列後期) (11歳~)
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Phase02.
各歯に対する移動が主体Step03固定式矯正装置(ブラケットとワイヤー)による、
個々の歯牙の不正に対する矯正歯科治療固定式装置による治療は、非抜歯、抜歯、外科的矯正歯科治療に大別される。
顎裂が有る場合、上顎骨の成長が弱く、上下の顎骨の位置関係に著しい不調和が認められる際には、外科的矯正歯科治療の選択となる場合がある。外科的矯正歯科治療
骨格性反対咬合の成人例に対しては、下顎骨・上顎骨あるいは上下顎の両顎に対する外科的矯正歯科治療を行う場合がある。
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Phase03.保定
Step04治療の後戻り防止
矯正歯科治療が終了して矯正装置を除去すると、治療の後戻りを防止し、歯牙欠損を補う目的でリテーナーを装着して定期診査に入る。
その間に顎裂部の歯牙欠損に対しては、ブリッジによって補綴治療で永久保定をして仕上げて完了する症例が多い。
唇顎口蓋裂の
歯科矯正治療学
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唇顎口蓋裂の歯科矯正治療学 医歯薬出版社
この分野の第一人者の一色泰成 東京歯科大学矯正科名誉教授による唇顎口蓋裂の矯正歯科治療についてまとめられた本です。
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本書に記載されている院長が
たずさわった口蓋裂の研究- 著しい上顎狭搾口蓋裂のE・アーチ法および
前方牽引併用による拡大矯正歯科治療の2症例
1991 日本口蓋裂学会抄録 - 下顎の便宜抜歯を行わなかった片側性唇顎口蓋裂の 矯正歯科治療結果の検討
1991 日本口蓋裂学会抄録
- 著しい上顎狭搾口蓋裂のE・アーチ法および