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限局矯正歯科治療

限局矯正歯科治療
(MTM)について

MTM とは、一部分の矯正歯科治療を指します。
一部の歯の移動のみで治療が完結出来る場合や、入れ歯や、ブリッジ、インプラントなどの補綴(ほてつ)治療するための前処置として歯の移動を行う事も有ります。
おもに永久歯列完成後に行われる治療であり、成長期の子どもに行う第一期治療とは異なります。

前歯や奥歯の
限局矯正歯科治療

前歯だけの叢生、空隙などは限局矯正歯科治療により改善できる症例もあります。
特に歯周疾患に関連した症例では、年配の方も多く治療を行っています。
症例によっては、マウスピース型矯正歯科装置などの取り外しの樹脂装置での治療が可能な場合も有ります。

外科的治療と
矯正歯科単独治療の
限界と対応

歯と歯はお互いに支え合いをしているため、もし歯が抜けてそのままにしておくと隣の歯が倒れたり、噛むべき歯がせり出したりします。
そのような状況に成らないためにも、もし歯が抜けたらすぐに補綴(ブリッジ、入れ歯、インプラント等)を行う必要が有ります。
実際に歯が倒れてきたなどの状況がある場合には、限局矯正歯科治療により改善しないと良好な補綴治療が行えません。

深い虫歯への
限局矯正歯科治療
(残根の挺出)

この症例は深い虫歯によって、歯根だけ残った状態です。
一般的にはこの様な状況下では歯を残す事が不可能と考えられがちですが、虫歯になっていない根だけを限局矯正歯科治療によって持ち上げて、歯冠をかぶせる事で歯を助ける事が出来ました。

一般歯科と矯正歯科との
コラボレーションによる
限局矯正歯科治療

  • 一般歯科と矯正歯科でより良い治療が可能に

    修復や補綴を必要とする成人では、多かれ少なかれ歯の位置異常が生じています。そして進行した歯周病の患者様が歯の位置異常をきたしていることは言うまでもありません。
    このため、成人の歯科治療に際して歯の転位や傾斜を改善することが望ましく、歯周治療では歯の挺出や整直により積極的に骨欠損を改善し、歯と歯周組織の調和した形態を回復することによって、患者様にとって予後がよく、格段に優れた外見と機能が回復できることが知られています。
  • 日本での現状

    わが国では保険診療に歯を動かすという選択肢がないため、当初から歯の移動を念頭に置かずに治療計画を立てているのが現実です。
    しかし、良い結果が得られることを知りながら、初めから歯を動かすことを除外して成人の歯科治療をすることは、歯科医療の可能性を自ら狭めることではないでしょうか。
    歯を動かすという治療選択を与えない治療は、患者様からは、侵襲の少ない良質の医療を受ける機会を奪っているのではないでしょうか。
  • 歯科医療の可能性

    矯正歯科医とのコラボレーションによって、豊かな歯科医療の可能性を開拓することが可能です。
    米国では、不正咬合への対応の必要性についての患者様側の知識も豊富で、治療上必要があれば年齢を問わず、全顎的な矯正歯科治療の他、包括的歯科医療の中で矯正歯科治療が積極的に行われています。