早めの治療を必要とする
症例について
しかし、なかには待ってはいけないケースがあります。それは、すぐに対応しないことによって問題を深刻化させる症例や、たとえ期間は長くかかってもより良好な結果が得られると考えられる症例です。具体的には、不可逆的な変化(歯の破折や成長発育の障害)を起こしてしまう症例や、逆に成長発育を治療に利用したい症例です。
すぐに治療を開始するべき
主な状態
1 不可逆的な変化を起こしてしまう状態
2 反対咬合などの骨格的な問題を助長する可能性があるもの
3 顎の偏位を起こす可能性があるもの
4 成長を治療上利用したい症例
5 歯の保護
6 コンプレックス等
7 悪習癖、過剰歯等と関連する症例
8 その他
不可逆的な変化を
起こしてしまう状態
下記の症例の様に部分的にかけてしまったり、咬み合わせが悪い事によって歯がぐらぐらになってしまうような状況です。 この様な状況ではすぐに改善が必要です。
第一期治療のみ(取り外しの出来る装置)で改善しました。永久歯全ての咬合を確認し、治療が終了しました。
右側前歯部反対咬合
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Before
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After
主訴 | 前歯が逆に咬んでいる |
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年齢 | 6歳 |
治療期間 | 5年 |
費用 | ¥350,000 |
リスク・副作用 |
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反対咬合などの骨格的な問題を助長する可能性があるもの
反対咬合の多くは、永久歯の前歯が逆に咬合していれば対応をします。ただし症状により、乳歯から開始したり、骨格の成長がおさまるのを待つ場合があります。
いずれの場合も、反対咬合であれば早めにご相談ください。
前歯部反対咬合
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Before
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After
主訴 | 前歯が気になる |
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年齢 | 8歳 |
治療期間 | 2年 |
費用 | ¥350,000 |
抜歯部位 | 非抜歯 |
リスク・副作用 |
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顎の偏位を起こす
可能性があるもの
下記の様な症例は、骨格的に側方偏位を助長する可能性が考えられるため出来るだけ早期に治療を開始します。
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乳歯列の交叉咬合(横へのずれ)
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骨格的な偏位が認められる症例
成長を治療上利用したい症例
骨格のコントロールを行う上で、成長を止める事は出来ませんが、成長を促す事は有る程度可能です。例として、反対咬合の上顎の成長促進や、骨格的な上顎前突に対する下顎成長を促す治療です。
本症例は、下顎の成長が少ない事により、上顎前突を呈している症例です。
第一期治療として、バイオネーター(取り外し可能な装置)を用いて、下顎骨の成長を促し、外に傾斜した出っ歯気味の歯を舌側に移動させ、咬み合わせの深い状態の改善を図りました。本症例も第一期治療のみで治療が終了致しました。
上顎前突
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Before
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After
主訴 | 出っ歯が気になる |
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年齢 | 7歳 |
治療期間 | 2年 |
費用 | ¥350,000 |
治療方法 | バイオネーター |
抜歯部位 | 非抜歯 |
リスク・副作用 |
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歯の保護
コンプレックス等
悪習癖、過剰歯等と
関連する症例
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舌小帯付着異常
舌の運動規制が有ります。典型的な症例は上顎に舌をつける事が出来ず、舌全体がハートの形をしている事が判ります。 開咬症の原因と成ります。
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過剰歯
過剰埋伏歯過剰歯とは本来は無いはずの余計な歯。好発部位は、上顎の中央。 この様な歯が有る場合真ん中の歯が寄らず隙間が開く正中離開の原因と成ります。
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アデノイド肥大
扁桃腺が大きく腫れやすい場合に、空気の通り道の問題から、上顎前突や開咬症の原因となる場合があります。口呼吸でも同様な状態が認められる事が有ります。
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上唇小帯付着異常
(じょうしんしょうたい)付着が強い場合、真ん中の歯が寄らず隙間の空く、正中離開の原因と成ります。
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咬下唇癖(下唇をかむくせ)
上顎前突の原因と成ります。
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吸指癖(指しゃぶり)、
または爪噛み開咬症(噛まない)、上顎前突(出っ歯)の原因と成ります。
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弄舌癖(ろうぜつへき)
舌を突き出す癖。開咬症の原因と成ります。
その他
不正咬合に気づかれたら早めにご相談下さい。 患者様にとって最良の開始時期や方法を検討致します。